司法書士法人 前川義憲先生

稲岡会長との出会い

僕が司法書士事務所を開業したのは、39年前の昭和58年のことです。その頃の稲岡さんは開業してから10年ちょっと経っていたあたりですね。司法書士というのは、皆さんが家を建てたり、土地を買ったりした時の登記の手続きを代行する仕事なので、稲岡さんに限らず、多くの不動産業者さんや銀行さん、建設会社さんにも挨拶に行きました。

この商売は信頼とご縁が大切です。色々なところに挨拶に行っても細かい仕事とかはもらえたりもするのですが、重要な仕事となると、「あなたには任せられない」とはっきり言われてしまうわけです。向こうからすれば大事な権利書を、どこの馬の骨とも知れない相手には任せられないですよね。どこの会社さんも元々の繋がりがある相手がいたりするわけですし。

僕は四国の出身で、こっちに出てきてから結婚して開業しましたもので、茅ヶ崎には知り合いが少なかったんです。それまでは稲岡会長とは一度ご挨拶したくらいだったのですが、僕がロータリークラブに入った時に、根っから茅ヶ崎の人だった稲ちゃん(※)が次々と人を紹介してくれたので、そこからたくさんの人との繋がりが増えていったんですよ。

プライベートでも旅行にご一緒したりとか、色々経験させてもらってすごく良くしてもらいましたね。それはともかく、会長を通じて知り合いが拡がって、重要な仕事も任せてもらえるようになりまして、そこから僕の(司法書士)人生が始まったような感じがあります。会長はそのきっかけをくれた大事な人ですね。

稲岡グループの印象

稲岡さんはもともと茅ヶ崎土着の建設業や不動産業をやっていらっしゃって、僕が言うのはおこがましいかも知れないけど堅実ですよね。僕も数々の業者さんとお仕事をさせてもらっているからこそ、手堅くやっているなという印象があります。

儲け話に飛びついてひっくり返ったり、一時儲かっていたけど、どこかに行ってしまったような会社とかたくさんあるなかで、地元一筋で五十年続けてきている。土着だから、逃げも隠れもしないぞ、という。損しているって言ったらおかしいかも知れないけど、結構損もしているんじゃないかなと。

商売にばっかり目が向くようなタイプの商売人とは違って、相手のことをよく気遣って、あの人のためにはこうした方がいいんじゃないか、こうしたら茅ヶ崎の街が良くなるんじゃないか、そういうボランティアみたいな気持ちでね。

損得じゃなくて、気持ちでやっているんだと。そうやって、地道にやってこられたから、稲岡さんは、商工会議所の役員とかやられたりね、地元の人たちに信頼されていますよね。

この信頼されているというのは、本当に大きいですよ。地主さんとの繋がりを大事にしているでしょう。会長の人柄があるのだと思うのですが、それをすごく感じるんですね。バブルがあったり、弾けたり、世の中浮き沈みがあるのに、地道にやってこれたというのは、地元の人たちを大事にされて、信頼され、その期待に応えてきたからだと思います。

次の100年を目指して

50年後の茅ヶ崎は、どんな風になっているだろうか。人口流入とか様々あるけど、今より人口が減ってもう少し豊かでゆったりとした生活になるのかな。僕はそんな気がするんですけどね。

四国の讃岐は、お人好しばっかりですぐ騙されちゃう。そんな土地から来たんだけど、たくさんの人が助けてくれる。茅ヶ崎は、そういう土地柄なんでしょうね。繰り返すようだけど、そんな茅ヶ崎の信頼に応える。

会長が地元の人たちを大事にしていた、その気持ちを忘れないようにして欲しいですね。地元密着という点で言えば、茅ヶ崎でもトップなんじゃないでしょうか。そういう地元愛のある人柄が、数多の難関を乗り越えてきたんじゃないでしょうか。

地元愛、それが基本だと。その気持ちを大事にして頑張って看板を守り続ければ、今の社長と、会長のお孫さんの代で100周年を迎えられると思います。100周年のインタビューは、さすがに僕も厳しいと思うけど。

 ※稲岡グループ創業者 稲岡輝雄会長のこと